保護犬とは
About
日本における犬猫の殺処分数は、年々減少しているものの、まだまだ多くの命が失われています。
昨年( 2023年 )の犬の殺処分数は、約3千匹。
ペットショップやブリーダーでの運命的な出会いも、もちろんあります。
それは縁であり、新しい家族との出会いは素敵なものです。
どの子もかけがえのない家族であり、どこから迎えたかは重要ではありません。
ただ、選択肢の1つとして「保護犬」との未来を視野に入れていただければ嬉しい限りです.
保護犬には様々な背景やキャリアをもった子がいます。
外の世界しか知らない子、心や体に傷を負った子など、
犬の数だけ彼らの歴史があるのが現状です。
外の世界しか知らない子、心や体に傷を負った子など、
犬の数だけ彼らの歴史があるのが現状です。
- 野良犬の保護
- 飼い主からの飼養放棄
- 保健所・殺処分からの保護
- 虐待やネグレクトからの保護
- 多頭飼育崩壊からの保護
- 悪質ブリーダーからの保護
犬の飼い主さんが必ず守ること
行政への登録
住んでいる市町村へ犬と飼い主の登録を行います。鑑札(金属のプレート)が交付されるので、散歩の際に使うリードなどに装着しておきましょう。万一のため、迷子札やマイクロチップの併用も検討しておくと安心です。
狂犬病予防
現在、日本で狂犬病の発生はありませんが、発症すれば致死率はほぼ100%です。狂犬病の予防注射は毎年1回の義務があります。行政から案内が届きますので、フィラリア予防やワクチンの接種も併せて行っておきましょう。
愛情と導き
犬は群れの生き物ですので、愛情をもって飼い主がリーダーシップを取ってあげましょう。しつけに暴力や暴言は必要ありません。訓練は犬種や性格に合わせる必要があります。難しい場合は、プロに相談してみましょう。
保護犬と家族になる
Welcome a dog as a Family
01
迎える準備
- ケージやフードなど生活用品の準備
- 脱走防止対策の検討
- ペット保険の検討
- かかりつけ病院の検討
- 後継人・自分以外の世話人の確保
初めての環境でできるだけ安心して生活できるよう準備を整えます。また不測の事態が起きても対応できるよう、保険や病院、お世話を頼める人を考えておくと安心でしょう。脱走防止策については、譲渡元が厳しい条件を求めてくる場合があります。これには虐待目的の里親候補者をふるいにかける目的もあります。経済面や家族構成など踏まえて、どこまでなら対応できるかを考えておきましょう。
02
迎える場所
- 保護施設・ボランティア団体から迎える
- 里親募集サイトを利用する
- 保健所・動物愛護センターから迎える
- 動物病院や保護カフェから迎える
ネットでの里親募集や、ボランティア団体の譲渡会など参加できるコミュニティは多く存在します。その反面、里親詐欺や悪質な団体などが問題になっています。信頼できる相手や団体を探すことが重要です。
03
お家でのケア
- トライアルの実施
- 健康管理
- 環境づくり
- 家族や他の動物たちとの相性
- 行政への登録手続き
市町村へ飼い主と犬の情報登録を行うことが義務付けられています。また年に1度の狂犬病予防も必須です。必ず行いましょう。
譲渡契約の前に1週間〜1ヶ月のトライアル期間を設けることをお勧めします。犬も人間も、相性や生活スタイルがあります。責任感や義務感から無理に生活を続けることはお互いにストレスとなります。生涯の家族としてを最優先に検討してみましょう。
よくある質問
faq
Q.保護犬の健康状態は?
もちろん、心身ともに健康で問題のないワンちゃんはたくさんいます。ただ、なかには治療が必要なワンちゃんや年齢上の注意、身体ハンデのある子もいます。譲渡元が診療・治療をしている場合、継続の有無や注意事項をしっかりと聞いておきましょう。
また犬には年に1回の狂犬病予防が義務付けられています。散歩にも出るので、必要に応じてワクチンも打っておきましょう。
Q.保護犬の里親になるための条件は?
一般的には下記の通りです。
譲渡元によって条件は様々ですが、家族構成や収入、在宅時間、脱走防止策の有無などの審査が入る場合があります。また、トライアル実施時に譲渡元のスタッフによるお家の確認が入ることもあります。
- 終生飼養できること( 60歳以上は後継者が必要 )
- 身分証明書を提示できること
- 飼育費用をすべて負担できること
- ペット可の住宅に居住していること( 体格に適したスペースがあること )
- 家族全員が同意していること
- 必要に応じて適切な医療サービスを利用できること
- 完全室内飼育が可能であること( 散歩必須 )
- 不妊・去勢手術を受けさせること
- 毎年の健康管理を必ずすること( 狂犬病・ワクチン・フィラリア等 )
Q.保護犬は無料ですか?
一般的には3万円から5万円前後の譲渡費が必要です。
これは保護される過程でかかった医療費や環境の整備に加え、保護活動を継続するために必要な資金源として活用されます。また虐待目的や、実験動物としての転売、里親詐欺への利用を防ぐため、真剣に保護犬を迎える意欲のある飼い主さんを選別するための手段でもあります。
お願い
Have a Request
正直なところ、保護犬を家族に迎えるというのは簡単ではありません。
成犬であれば、それまでの経験から人間との生活に馴染むのに時間がかかる子もいます。犬種によってトレーニングも異なり、多頭飼育の際、相性が悪い場合もあります。そもそも団体が設ける厳しい譲渡条件に達しないこともあります。
せっかく保護犬に興味を持ってくれたのに、厳しいハードルから心が折れてしまい、ペットショップなどで新しい家族を迎える選択をされる方も多いのが現状です。ただ保護側が悪いのではありません。虐待目的に里親を名乗り出る人が多いため、ハードルが厳しくなってきたのが事実です。ただ、それでは本末転倒ですよね。
信頼できる愛護団体から、その犬の背景や性格などを聞いた上で、家族や仕事と照らし合わせてみてください。わからないことは何でも聞いてください。トライアルに失敗しても、良い団体に巡り会えなくても、無理のない範囲で気長に出会いを求めてみてください。きっと、素敵な引き合わせがあるはずです。