保護猫とは
About
日本における犬猫の殺処分数は、年々減少しているものの、まだまだ多くの命が失われています。
昨年( 2023年 )の猫の殺処分数は、約1万4千匹。
ペットショップやブリーダーでの運命的な出会いも、もちろんあります。
それは縁であり、新しい家族との出会いは素敵なものです。
どの子もかけがえのない家族であり、どこから迎えたかは重要ではありません。
ただ、選択肢の1つとして「保護猫」との未来を視野に入れていただければ嬉しい限りです.
保護猫には様々な背景やキャリアをもった子がいます。
外の世界しか知らない子、心や体に傷を負った子など、
猫の数だけ彼らの歴史があるのが現状です。
外の世界しか知らない子、心や体に傷を負った子など、
猫の数だけ彼らの歴史があるのが現状です。
- 野良猫・地域猫からの保護
- 飼い主からの飼養放棄
- 保健所・殺処分からの保護
- 虐待やネグレクトからの保護
- 多頭飼育崩壊からの保護
- 悪質ブリーダーからの保護
猫の呼ばれ方
保護猫
飼い主のいない猫や飼育放棄された猫が、保健所や動物保護施設、ボランティア団体などに引き取られ、一時的に保護されている猫のことを指します。
野良猫
特定の飼い主がいない、屋外で生活する猫の総称です。(常に山野等にいて野生生物を捕食している猫を鳥獣保護管理法では「ノネコ」といいます。)
地域猫
もともと野良猫ではありますが、避妊や去勢手術を受け、地域で世話をされている猫のことです。片耳が欠けている(さくら猫)のが特徴です。
のら猫を野生の猫だという方がおられますが、日本に生息する”野生”とされるネコは「ツシマヤマネコ」と「イリオモテヤマネコ」の2種類です。
日本では奈良時代頃にネズミから積荷を守るため中国より猫がやってきましたが、日本へ上陸後はその役割以上に愛でる生き物として人に飼われてきました。現代の野良猫たちは、災害時に逃げてしまった猫や、人間が捨てた猫、避妊や去勢をぜず外飼いをしていた猫たちと、彼らが外で繁殖して産まれた猫たちです。ある意味、猫たちを”野生”にしてしまったのは私たち人間といえるでしょう。
保護猫と家族になる
Welcome a cat as a Family
01
迎える準備
- トイレやフードなど生活用品の準備
- 脱走防止対策の検討
- ペット保険の検討
- かかりつけ病院の検討
- 後継人・自分以外の世話人の確保
初めての環境でできるだけ安心して生活できるよう準備を整えます。また不測の事態が起きても対応できるよう、保険や病院、お世話を頼める人を考えておくと安心でしょう。脱走防止策については、譲渡元が厳しい条件を求めてくる場合があります。これには虐待目的の里親候補者をふるいにかける目的もあります。経済面や家族構成など踏まえて、どこまでなら対応できるかを考えておきましょう。
02
迎える場所
- 保護施設・ボランティア団体から迎える
- 里親募集サイトを利用する
- 保健所・動物愛護センターから迎える
- 動物病院や保護カフェから迎える
ネットでの里親募集や、ボランティア団体の譲渡会など参加できるコミュニティは多く存在します。その反面、里親詐欺や悪質な団体などが問題になっています。信頼できる相手や団体を探すことが重要です。
03
お家でのケア
- トライアルの実施
- 健康管理
- 環境づくり
- 家族や他の動物たちとの相性
譲渡契約の前に1週間〜1ヶ月のトライアル期間を設けることをお勧めします。猫も人間も、相性や生活スタイルがあります。責任感や義務感から無理に生活を続けることはお互いにストレスとなります。生涯の家族としてを最優先に検討してみましょう。
よくある質問
faq
Q.保護猫の健康状態は?
もちろん、心身ともに健康で問題のない猫ちゃんはたくさんいます。ただ、なかには治療が必要な猫ちゃんや年齢上の注意、身体ハンデのある子もいます。譲渡元が診療・治療をしている場合、継続の有無や注意事項をしっかりと聞いておきましょう。
Q.保護猫の里親になるための条件は?
一般的には下記の通りです。
譲渡元によって条件は様々ですが、家族構成や収入、在宅時間、脱走防止策の有無などの審査が入る場合があります。また、トライアル実施時に譲渡元のスタッフによるお家の確認が入ることもあります。
- 終生飼養できること( 60歳以上は後継者が必要 )
- 身分証明書を提示できること
- 飼育費用をすべて負担できること
- ペット可の住宅に居住していること
- 家族全員が同意していること
- 必要に応じて適切な医療サービスを利用できること
- 完全室内飼育が可能であること
- 不妊・去勢手術を受けさせること
Q.保護猫は無料ですか?
一般的には3万円から5万円前後の譲渡費が必要です。
これは保護される過程でかかった医療費や環境の整備に加え、保護活動を継続するために必要な資金源として活用されます。また虐待目的や、実験動物としての転売、里親詐欺への利用を防ぐため、真剣に保護猫を迎える意欲のある飼い主さんを選別するための手段でもあります。
お願い
Have a Request
正直なところ、保護猫を家族に迎えるというのは簡単ではありません。
大人猫であれば、それまでの経験から人間との生活に馴染むのに時間がかかる子もいます。そもそも団体が設ける厳しい譲渡条件に達しない場合もあります。
せっかく保護猫に興味を持ってくれたのに、厳しいハードルから心が折れてしまい、ペットショップなどで新しい家族を迎える選択をされる方も多いのが現状です。ただ保護側が悪いのではありません。虐待目的に里親を名乗り出る人が多いため、ハードルが厳しくなってきたのが事実です。ただ、それでは本末転倒ですよね。
信頼できる愛護団体から、その猫の背景や性格などを聞いた上で、家族や仕事と照らし合わせてみてください。わからないことは何でも聞いてください。トライアルに失敗しても、良い団体に巡り会えなくても、無理のない範囲で気長に出会いを求めてみてください。きっと、素敵な引き合わせがあるはずです。